偽りのリアリティ

2006年10月12日 風の戯言


 「人間を幸福にしない日本というシステム」と言う本がある。長らく本棚の肥しになっていた。
 著者はオランダ人ジャーナリスト、カレン・ヴァン・ウォルフレン。どういう人か知らない。
 
  「この人生はどこかおかしい」と多くの日本人が感じている。それは何故か?

 そんな書き出しでこの本は始まる。
 言われてみれば個人生活も会社勤務も、まして公的な会議などはいつも「建前」の中で進み成り立っている。どこかおかしい、だけど誰も発言しない、自分も何故か黙っている、そんな経験は誰でも持っているのだろう。何故?

 「偽りのリアリティ」

 本当のことを、怪我の正体を、絶望の深淵を誰も覗こうとはしない。現実を直視し、時に傷口に塩を塗りこむような痛みの中から、やっと本当の姿が見え、何をせねばならないのか判って来る。
 この本もシンドそうだ