七夕ライブ
いつの間にか日付変更線を過ぎていた。
だからもう昨日のことになるけれど、未完成の七夕ライブはいい時間だった。
7月1日の未完成創立記念日を少しづらせて7日に七夕ライブをやるようになって4年目。ファンも増えて、小さな店が満員になった。
若い頃、新宿ピットインで日野皓正を聞きたいばかりに小瓶のビール一本持たされ壁にへばりついてジャズを聴いていた時期があった。遠い昔の話だ。
演奏の間に新潟ジャズストリートの話を聞いた。新潟地震の直後、デューク・エリントンはハワイ公演をキャンセルして一団を率いて来日し、新潟で励ましのコンサートを開いたという。5年前から始まり、今は町中でジャスが演奏され、新潟の新しい夏の風物詩として定着したようだ。長く続くイベントには魂の物語が語り継がれている。いい話だ。
コピーは所詮コピーでしかない。コピーは自分の悲しさを自分が一番知っているのかもしれない。だから、感動は伝わらない。どんな状況であれ、己の信ずるものを手放してはいけないのだろう。
未完成と言う小さな店が4年生き延びてきた。藤巻雄吾君と言う若い一途な情熱が乾いた柏崎という地に一粒の種を育て、生き延びてきている。嬉しいね。彼はそんな賛を照れながら、「いえ、まだまだです」と謙虚に受けとめている。まだまだいろいろな物語があるのだろうけれど、率直に感謝の気持ちを伝えようとする前向きの姿を美しいと思う。
いつかまた、そんな語られざる物語を感じながら酒を飲みたいと思う。
いい夜だった。ありがとう。