大水の思い出

2007年07月15日 風の戯言


 7月14日は大水(洪水)の思い出と重なっている。

 毎年決まってこの時期に鯖石川が氾濫し、堤防が決壊し、田圃に水が上がった。鮒や鯉が濁流に流されまいと中堤防の草むらに集まり、その魚を狙って大きなタモで魚を追いかける。稲が泥水に埋まっているのにこの大人たちは何してるんだと不思議に思いながら一緒になって魚を追いかけた。

 この日は旧南鯖石村田島の普広寺さんで毘沙門の裸押し合い祭りが行われ、学校も半日休みになり村中の人達が集まった。小さな米俵の争奪に熱気が篭り、露天市も出て、変化の少ない村の生活の中では特別に楽しい行事だった。今はどうなっているのだろう? 近くに済んでいても行くことも無くなった。

 7月の台風としては記録的な4号台風が過ぎていった。幸い、柏崎は心配していた雨も無く、ほっとして休まれた3連休の中日になった。
 会社経営なんて雑多な用事が多く、いろいろ心配すれば限が無い。際限も無いインプットを自動制御するために遊ぶか趣味に没頭するしかないのだろうが、時間の使い方の下手な自分にとってはノンビリと過すここの生活は最適なんだろう。
 雨の心配もなくなった午後、風呂を立てた。明るい内に風呂に入るのは、俺の世代では最高の贅沢で、風呂の窓から周光院の裏山を見ていると心が休まる。屋根下にアジサイが咲き、裏の田圃の稲が勢いを増していた。

 今年は雪が少なく田圃の水不足が心配されたけれど、もう大丈夫だろう。そう言えば昨日は稲虫送りだった。松明と太鼓の音で虫たちを集め、川に落そうという些か現代離れしたこの行事も好きだ。