鯖石の春

2009年04月29日 風の戯言


 春が低速爆薬のように静かに爆発している。
 5日ほど前の鯖石川上流は、と言っても山室から高柳くらいまでしか見ていないが、川筋の柳が柔らかな芽を吹いて啄木を思い出させるような風景があった。
 八石は様々な雑木の新芽が山を覆い、若い緑になる前の赤や黄色の何とも言えない生命の鼓動を感じさせている。
 この時期、正直言えば山の色の移り変わりをあまり見たことがない。建設業時代は雪解けの後の現場の完成と検査資料の作成で3ケ月くらいは殆ど休みらしいものはなかった。
 コンピュータ屋になっても春は、と言うか一年中気の休まる時間はなかった。自分で馬を下りて、まだ軍装は解けないが、風景を目にするユトリが生まれてきたのかなと思う。