娘と娘の娘

2009年06月01日 風の戯言


 9ケ月を過ぎた娘の娘が土曜日に泊りに来る。最近はそれが楽しみになってきた。
 人に愛されることの心地よさを知ったのか、目が合うと笑顔を向けてくる。俺にもこんな時期が有ったのかと少し不思議に思ってしまうのだが・・・敗戦の日に家人が裏の横穴に隠れる相談をしていた3歳の記憶と、柏崎の田町に住んでいたころのガスコンロの青い火と玄関の格子戸だけを何故か鮮明に覚えている。
 9ケ月の日常の記憶なんか残るはずもないが、幼子の笑顔を見ているといろいろなことに思い至る。

 2009年のこの日、GMは破産し、アメリカの巨峰が次々と倒壊している。時代は少しづつづれて来て、ひずみが極限に達した時大きな破壊が起きる。弾性限界を越えた時点で計上は元に戻らなくなるのと同じことで、そこから新しい時代が始まるのだろう。日常生活で大きな歴史の変換点を鳥肌の立つような気分で迎えることも、考えてみれば特異なことなのだと思う。
 平凡な日々に、時間は確実に動いている。
 彼女の未来が明るいものであって欲しいと願う。