スラムドック$ミリオネア

2009年06月20日 風の戯言

 セガレに薦めらて「スラムドック$ミリオネア」を会社サボって観て来た。ユナイテッド・シネマ新潟は平日の朝のせいか観客はほんの数人・・・劇場の貸切・・・?
 「みのもんた」の「クイズ$ミリオネア」そっくりの番組の正解をジャマールの悲惨な人生と重ね合わせながら解き明かす純愛ドラマ、と言い切ってしまうと背景のインドの階級社会の不条理に対する怒りも無力感も消えてしまう。
 あえて言えば、成熟しすぎて腐敗の始まった日本社会からは想像を絶した、正視できないような「貧困」が匂い立つ様に迫ってくる。
 「ゴミの山」はフィリッピンでもインドネシアでも感じていた。今まで、そこを写真にとっても、映画の主要な舞台として取り上げた映画はなかったのではないか、と思う。
 ストーリーそのものは単純だが、現代社会の病根(そんな簡単な言葉では表せないのだが)の深さ、物社会が悪臭を撒き散らしながら人間を育てている光景など、この星は人間を一日も早く絶滅させ数千万年の眠りが必要なのだと思えてきた。