お盆休み

2009年08月16日 風の戯言


 いろいろあって、お盆休みが終わる。
 一年の折り返し点。待った無しで後半戦と来期が押寄せてくる。楽しく、命の限り、しぶとく、明るく・・・だな。

 茂木健一郎のエッセイに出会った。
 「脳科学者」なんて、怪し過ぎる、と思っていた。ただ、新潟大学脳研究所の所長生田房弘先生の講演は、もう17,8年昔だが、刺激的だった。一流の学者の世界というのは、逆に非常に謙虚であることに感銘を覚えた記憶がある。

 「決断の最期は脳の直感である」
 「選択のプロセスにおいては、脳の[感情]のメカニズムが大活躍する。脳の選択に、本来、正解は存在しない。論理的な推論を積み重ねればどの選択が正しいのか判る、と言うのであれば苦労はしない。最後にどちらにするかという決断の選択は脳内の感情の回路を中心として生み出される「直感」によるしかないのである。脳が何が正解か分からないという「不確実性」の下で選択するというプロセスは、脳の中で「嬉しいこと」を表している物質ドーパミンが過去にどのような状況で分泌されたかなど、様々な履歴によって決まる。その際の「選択の方程式」に絶対的な正解がないことこそが、脳の驚くべき特徴なのである」(週刊ポスト8.21,28号)

 人間の脳が、と言うより価値観や行動力がどう形成されるのかは、まだ暫らく謎なのだろう。宗教や環境などの違いによる人間の多様性は理解を超えている。当然といえば当然過ぎることなのだが・・・。
 ただ、人間の[選択]のプロセスで、過去に「うれしかったこと」の履歴が大きな要素を持つ、という示唆は自分の人間理解?に「ものすごく」参考になった。