大雪

2010年01月14日 風の戯言


 この世界から一切の音が消えて、雪が降っている。
 ただ、昔のように凍りつくような寒さはない。歳で感覚が鈍っているせいか? 今の時間、14日午前4時28分。

 友人からのメールで、久し振りに中村天風を思い出した。
 「心と感情は別のもの。心は行動を制御するシステム」
 確かこんな記述があり、救われつつ、また次の難題を抱えたように思っていた。
 人に豊かさをも齎すものは「感情」であり、その多くは荒ぶる感情をコントロールした時に与えられる。知性で制御できない感情の爆発は、祖先の神であるが如く人間らしく好ましくはあるが、嵐が過ぎた後の寂しさは、これ以上のものはない。
 本音と建前の問題で、山本五十六が友人にあてた手紙の中で「自分の考えていることと全く逆のことをしなくてはならない(開戦の事か?)のは変なもんだ」という意味のことを書いている、と聞いた。山本七平の「空気」そのものだが、もっと自由に「個人」の主張が出来たら日本は面白くなっていたのだろうと思うことがある。

 無音の世界で、つまらぬことに思い至っている。