夏の名残り
久し振りに、本当に何年ぶりだろう? 昔の工事現場でもある荒浜の海に行ってきた。
浜は整備され、もとの堤防のところには道路が、砂利道だけど、走っていた。昔は殆ど来る人も無く、サマーベッドとパラソル、そしてビールと雑誌でも持っていけば朝から夕日が沈むまで幸せな時間があった。家にいる女房には不思議な人に見えたらしい。
海水パンツにレーバンのサングラス、白髪頭の狂った老人にしか見えなかっただろうが、俺は成長の止まった青年。
海水は清らかで温かく、もう9月が近いとはとても思えない。西に傾き始めた夕日と、キラキラ輝く海を見ていて、何かに追われているような気分が融けていくのを感じた。
こんな時間が足りなかったのだ。
今の原稿が出来上がったら、もう1度旅に出よう。
俺には気ままな旅が必要なのだ。
向こうに、微かに米山が見える・・・柏崎の夏