いもり池

2011年07月16日 風の戯言


 久しぶりに赤倉のいもり池を訪ねてみた。
 単に昼時なので腹が減っていただけなのだが、「手打ちそば」の看板に引かれて入ったら、ビールを片手に若い男が盛んに話しかけてくる。自閉症気味の時は腹が立つ。首を絞めるわけにもいかないので適当に相槌を打っていると段々ムカついてきて殺意が本物になりそうになる。

 仕方なしに池に向かうと2羽のカモが桟橋で休んでいた。
 鴨は人間の食いものであることを忘れ、暫く見ていた。

 「妙高山」はインド古代仏教で世界の中心の山である、と一般的に理解している。須弥山は漢字の音訳だという。

 高校の山岳部で妙高三山を歩きまわっていたころを思い出す。テントの中で酒飲んでいたら酔っぱらった顧問の先生が傾れ込んできて宴会になり、青春談義が遅くまで続いた。翌日の笹倉口からの焼山攻めはキツかった。春山の雪の急斜面と二日酔い。だけと、無茶苦茶楽しかったことが忘れられない。

 露天風呂で斑尾山に上る月を眺めていたら「十六夜ですか立待月ですかねぇ」とオッサンが声をかけてきた。放心状態の時に声をかけられ、湯船に沈みそうになった。
 立待月、居待月、寝待月…。日本には自然と暮らす豊かな言葉があったのだなぁと今更ながら驚く。