夕食の店ではずーとマリア・カラスのCDが流れていた。波乱万丈の人生を、ただ真っ直ぐ前を向いて歩いてきた人だけが持つ、魂を揺さぶるような曲が頭の中でリフレーンしている。
家に帰ってかけたブルーレイはアメリカの映画音楽。JALらしい旅情を誘う映像と城達也のナレーションが、眠りかけた俺の血を騒がさせる。
静かに秋になった夜が過ぎていく。
遠くから花火の音が聞こえてくる。
娘のメールに千里の誕生日の写真が何枚か添付されていた。もう3歳になるのか !
静かに…俺の身には過ぎた、時間が流れていく。