8月1日

2017年08月01日 風の戯言


 子供の頃、森近山の空が赤く見えたことを記憶している。
 明確な記憶でないが「ナガオカガモエテイル」と大人達が話していた。
 「センソウニマケタ、クヤシイ」ヒソヒソとそんな話を電灯の蛇腹笠の下で話していたことも覚えている。
 「カミナリ様のようなものに乗って、町の方から上がってきて、日本人を皆殺しにする」と脅え、裏山の穴蔵に隠れ見つからない様にするんだ」とも話していたようだ。

 昭和20年8月

 長岡空襲の時、3番目の姉は学徒動員で長岡に居て、宿になっていたお寺の本尊を背負って逃げ、難を逃れたという。
 父親は村長特権で機関車にぶら下がり長岡まで行き、転がっている死体の顔を確認しながら、姉を探したという。

 90歳になる姉は「本尊さんのお陰」と同じ話を語り続けている。あの日から72年が過ぎる。3歳の子供が75歳を過ぎた。
 いやんなっちやうね。

 稲穂が出てきた。
 今年も無事に刈り入れが済んで欲しい。