マンガ文学

2007年12月18日 風の戯言

 行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。淀みに浮ぶ泡沫は、かつ消えかつ結びて、久しくとどまる事なし。世の中にある人と住家と、またかくの如し・・・。

 先日お昼を食べながらコミック誌を読んでいたら方丈記の冒頭の文が出てきた。マンガと侮ること無かれ、最近のマンガ雑誌は下手な小説より数段と奥が深い、と思っている。妙に真剣だし、余韻が残る作品が多い。マンガ文学、だな。

 なんて書きながら、時折深い悔悟の中に置き去りにされることがある。悔いてもどうにもならない過去に沈むものと、考えても現実に作用できない未来を思い悩むものは愚か者であると言う。だから一瞬の「現在」が 大切なのだ、とも。
 判っているさ。だから目の前の敵に左の頬を打たれたら、相手を殺してしまおうと思う自分の凶暴な心を封印する術も身に付けた。自分でも驚くほど温和なジジイを演じている。最近はこれが本当の自分じゃないかとも思う。

 あれこれ悩んでいる内に年末が近くなった。一日雪が遅ければ一日の儲け。春はまたやってくる。
 来年は会社の20周年パーティをやろう。