花火の目と俺の目が合ってしまった。 花火は暫らく俺を見つめている。 「やぁ、どうした ? 」と声をかけたら口の中で何かブツブツ言っている。リュックからカメラを出して「チョットそのまま」と言って撮った写真がこの写真。なにやら嬉しそうにしていた。 多くの花火の中には、水の中に叩き込まれたり、裏からケツをぼったくられたりと、この世界もとろい奴はいるんだ。俺の前に立ち止まった花火なんて、もうあの世界では変わり者で通っている。みんな数秒の命なんだが、夫々の役割があり、個性がある。可愛いね。