一人の女性の一生を、本当に幸せに出来たのか?
山六のおばぁちゃんとおじいちゃんの大事な一人娘を本当に幸せに出来たのか?
分からん。
「おとうさん」 ベッドで横になっちる妻が話しかけてくる。 「どうした?」 「いっぱい働いたし、いっぱい遊んだし、いっぱい旅行にも連れてってもらったね」 「いっぱい行ったね、病気が治ったらまたどこかに行こうよ」 「もういいよ、加納でゆっくり過ごしたい。加納はいいとこだよ、あの家、好きだなー」
そんな会話を思い出している。
暑い日が続く。
地球が壊れてしまったので仕方ないけど、やはり辛い。 でもまあ、鯖石川は少しづつ流れているし、山の木もまだ確かだ。 土手も、オラチの畑も草茫々で、砂漠にはならないようだ。
だけど、一人冥界に紛れ込んでいると、奇妙な時間が流れて行く。
明日はせっちゃんの命日。 千恵と手分けをし、お花の買い置きだのしている。 美也からも花が届いたという連絡があった。
1周忌は10日に終わらせたのに、本当は明日が本番みたいな気になってしまう。 明日は一日側にいるよ。
高柳町・山中の農家が古い牛小屋で飼育しているクマが時々逃げ出す。 国道252号線まで出ちゃって、通りがかった車に見つかり大騒ぎになる。 逃げ出さないように、しっかり鍵をかけておけ、と言うのに・・・。
以上地元から聞いた フエークニュースです。念のため。
写真は岡の町にて じょんのびのフライドポテトを齧りながら運転しているといろいろな花に出会う。
「せっちゃん!」 「なに?} 「今日も暮れて行くね」 「そだね、綺麗な夕陽! 加納の夕陽、好きだなぁ・・・」
「せっちゃん、ごめんね」 「なに?」 「ごめんね、何も出来なくなったよ」 「仕方ないよ、今日も暑かったからね、大丈夫?」
そんな、何時もの会話が蘇ってくる。
もうすぐ1年になるんだね。