
暑い日の 夕焼雲の 遠い空 草風
長岡空襲は、3歳の時だったと思う。
南鯖石の山の中から、八石山の向こうが赤く見えた記憶が残る。
大人たちの会話からの、後付けの記憶かも知れない。
今年98歳になる姉が、学徒動員の宿舎だった長岡駅の近くのお寺から、本尊さんを抱いて逃げた、と言う。
1500人近くが焼夷弾によって焼き殺された。
翌日、親父は長岡に行き、焼け死んだ一人一人の顔を見ながら、姉を探したという。
哀しい顔をして帰った父を、一足先に帰っていた姉が出迎えたという。
もう、80年にもなるのか、遠くて、近い、昔の物語。