宴の後

2006年07月27日 風の戯言


 全国の花火を見ている解説者(自身も花火師)によると柏崎の花火は全国7位だそうである。何を評価基準にしているのか判らないけれどスケールや豪華さから言えばそうなのかも知れない。嬉しい話だ。
 風邪が治りきらず、残念ながら昨日の花火は遠目からだった。しかも尺玉100発同時打ちしか見れなかった。花火狂としては火の子の飛んでくるくらいの所が良いんだが・・・。
 20年ほど前の話になる。
 片貝は浅原神社の花火を本部席で見ていた時、刺し子にヘルメット、カンテラ姿の花火師たちが火薬の匂いを撒き散らしながら四尺玉の本田善治さんと何やら話しては目をキラキラさせて打ち上げ場に駆け戻ってゆく。
 「男だ!」 自分の中で何かが弾け、本田さんに頼み込み、翌日俺は「花火師」になっていた。花火筒に火種を投げ込むと目の前で吼える青白い火柱、頭上で炸裂する花火達。全身の毛穴が逆立つような興奮の中で、俺は果てた。

 静かな夜が更けてゆく。
 久し振りにかけたロスラティーノスのフォルクスローレが放心状態の魂を吹き抜けていく、宴の後・・・

 写真は小嶋毅氏