唐招提寺

2007年11月07日 風の戯言


 何故か急に鑑真和上にお会いしたくなって唐招提寺を訪ねた。修理中の金堂をすり抜け鑑真霊廟に急いだ。
 「天平の甍」にあるとおり唐で既に高僧であった鑑真が何故5回の難破を乗り越えて失明までして日本に着たのか、何時かまたその心に触れてみたいと思っていた。
 霊廟の前で一人の男が、廟に何事かを語りかけまた沈黙していた。この男も迷っているのだろう。

 初期仏教の法句経「ダンマパダ」にこんなのがある。

 「全てのものは無常である」(諸行無常)と
   明らかな知恵を持って観るときに、
    人は苦しみから遠ざかり離れる。
   これこそが人が清らかになる道である。

 人は生まれ、人は死ぬ。
  たったそれだけのことに思い至ると、心は静寂になる。
  全ての真理が見えてきて、生きる勇気が湧いてくる。