バラとバァさん
爺さんは夜な夜な町の悪所に飲みに出かけ、バァさんは隣の畑で胡瓜やトマト、茄子にゴーヤにオグラに後なんか一杯作っている。
昼間は会社で金庫番をし、食事と宿六の世話と畑作りに精を出している。従って爺さんは頭の上がらぬ生活を強いられているが、世慣れている俺は、自分の立場が弱いときは敵さんを褒めちぎる、のが武家の嗜み、もしくは常道と心得ている。
畑の南側にパイプ車庫の骨組みを利用したバラ棚がある。北側はゴーヤに占拠されている。バランスと情感に欠けるけれど、それはもう女親分の仰るとおりに・・・美と実利双方を求めた結果だ・・・異論なんてありえませんて。
で、ご主人様をカメラに収めてみた。案外と見栄えがいいじゃん!
なんてことで、彼女は畑の手入れに余念がない。小さな畑だけれど、週末に娘達が来れば畑で取れた持ちきれないほどの野菜を持たせてやるのがバァさんの最高の楽しみのようです。
畑って不思議なものですね。