チェチェンの呪縛

2022.09.05 風の戯言

横村出「チェチェンの呪縛」がやっと手元に届いた。
版元にもなく(岩波新書)数ケ月探し続けようやく手に入った。
紫陽花「サハシノショウ」を取り上げた「放下」の作者。柏崎高校卒、朝日新聞記者、モスクワ支局。

司馬遼太郎「ロシアについて」、小泉悠「帝国ロシアの地政学」、グレンコ・アンリー「プーチン幻想」、そして今度の「チェチェンの呪縛」を読めばプーチンの少しは見えてくるのかも知れない。
まだ半分も読み進まないが、死臭の漂ってくるような本の中に、時折こみ上げてくる作者の涙の温もりが伝わってくる。

沈没するまで読んで寝る。

写真は秋めいてきた善根の滝

チェルノブイリの祈り

2022.09.04 風の戯言

福島関係の本棚から「チェルノブイリの祈り」が飛び出してきた。
「原発革命」を漸く眺め終わり、宇宙語みたいな技術書から解放された直後であり、生意気言わないでこの本を読んでいけと誰かにドッツかれた感じがする。

チェリノブイリ、スリーマイル、フクシマを乗り越えなくてはならない。
人間が生き続ける為に、立ち止まってはいけないのだと思う。
温暖化による異常気象に対処するために、「絶対安全な原発」を神話から科学に進めなくてはならない。
自動車事故は少しづつ少なくなり、自動運転の夢が近づているではないか!

写真は朝の鯖石、二番目は西ノ入、そして三枚目は小清水の奥「EALY CAFE 」にて
慶子ちゃんも矢島君も元気だった。

『「原発」革命』

2022.09.03 風の戯言

簡単に言えば温暖化の速度を落とすために化石燃料の使用を減らし、その分原発に頼らざるを得ない。
再生エネルギーはまだ?だ。
ただ、原発を現状のまま使うには「安全」も「安心」も難があり過ぎるだろう。
技術的には何とか乗り越えるとしても、核廃棄物の処理と核に対する恐怖心をどう取り除くか?
これは現在無理に近い。

この「無理」を乗り越えて行く可能性が「小型原発」にあるという。

それはどういうことなのか?
古川和男の「原発革命」を喘ぎ喘ぎ読んでいる。
例の帯
「CO2のみならず危険な放射性廃棄物も出ない、ウランなしの超安全な原発!」

2011「原発安全革命」の帯
全く発想の違う「液体」「トリウム」「小型」
 この原発ならチェリノブイリも福島もなかった!

アメーバ経営

2022.09.02 風の戯言

稲森和夫の「アメーバ経営」は「一人一人の社員が主役」との副題がつく。
若いころ出版社でバイトしていたころ、本の販売で大切なのは「書名」と「帯」だと知った。
本の執筆には伝えたい「思い」を表現するために膨大なエネルギーを必要とする。

経営には「一人一人の社員が主役」、考えてみれば当たり前のことが忘れられ、安易な「リーダーシップ」が優先されてしまう。

最近の「エンパワーメント」なる言葉も、その焼き返しでしかない。

アメーバ経営は日本の経営の本家だと思っている。

敬天愛人

2022.09.01 風の戯言

9月になった。
漸くカレンダーと自分の中の季節感が合い始めた。

稲森和夫とゴルバチョフ 2人の巨人の死が同じ価値観で迫ってくる。

大雑把に言えば
2人とも「人間」を信じ、愛してきたのだろう。
本物のリーダーが持つ大きさ、なのかも知れない。

例えば稲森和夫が人生の指針として掲げた西郷隆盛の『敬天愛人』

「人を愛するということは、生半可な覚悟ではできないんだよ」という覚悟
そして迷った時に
「人間として正しいことを判断の基準にする」とし
 「自然の道理、人間として正しい道、すなわち天道をもって善しとせよ
  己の欲や私心をなくし、利他の心をもって生きるべし」

あらためて中村哲の「人は愛するに足り、誠は信頼に足る」を思い出す。

巨星たちが持つ「根」の太さ、抱く「天」の大きさ、「海」の深さを思う。