ナス
庭には小さな畑がる。
愛妻が何より大切にしている我が家唯一豪華な資産。
柿の木があり、キュウリやトマト、ゴウヤ、ナスが豊かに実る。
ナスは子供の頃から「バカナス」だの「ボケナス」だのといいイメージはない。
ただ、遊び疲れて腹の減った時にナスには助けられた。
大きいナスを、膝で叩いて柔らかくし、むしゃぶりついた。
80歳を過ぎて、自分が何をしてきたのか分からなくなっている。
目の前の「今」のことと、「明日」の仕事のことだけが頭を占領し、「昨日」のことを忘れてきてしまった。
だから。時折「古戦場」を、土方時代の現場のことだが、思い出したように訪ねて回る。
南条の線路の脇で写真を撮り、追田の溜池を見に行き、八石山の林道を登った。
一度上ったことがある筈だが、何も覚えていない。
だけど、こんな道を整備している人たちに頭が下がる。
運
10月1日のグーグルニュースで面白い記事に出会った。
https://gendai.media/articles/-/115530?page=2
中野信子さんの運のいい人と、運の悪い人。
その差はほとんどないけれど、
「運がいいと思っている人には努力の余地が生まれますが、運が悪いと思っている人にはその余地は生まれないのです」
だけど俺は、実際に崖の上から石が落ちてきたり、雪の溜池で水の落し口に吸い込まれそうになったり、例えばそんなことが何回もある。
そんなことが何回もあると、真っ当に生きていれば神は味方してくれるのだという盲信になる。
「俺には運がある」と。
写真は下加納にて。
ここの人達はいつもきれいな花を大切にして、人の心を豊かにしてくれる。