2階の書棚から沢木耕太郎の「波の音が消えるまで」が出てきた。
例によって、読んだ形跡はあるけど何も記憶していない。
多分香港返還の前日が舞台だったりするから、のめり込んだに違いない。
1997年6月30日、俺と千恵はペニュンシュラからチャールズ皇太子が船に乗り込み、香港から去ってゆくのを見ていた。
今でも残念なのは、時計が0時を指す時、群衆の中でカウントダウンが起きなかったこと。
そして、それをなぜ自分で大きな声でカウントダウンの波を起こせなかったのか、今でも心残りになっている。
歴史的瞬間だった。