経験は知識に優さる

2015年10月18日 風の戯言


 冬の嵐の前のお供え物のようなお天気が続く。
 柿が実り、銀杏の葉は黄色く色づき、秋の青空が拡がる。

 先週の金曜日に、土方時代の中間と飲んだ。
 文字通り、生死を共にしたような仕事中間と飲む酒には言いしれぬ安らぎがある。20歳を目前に現場で事故死した北村のことは、皆昨日のことのように覚えていた。

 同じ世界を生きていた者にとって、言葉にならない想いを持つことが出来るのだろう。酒の手を止め、恥ずかしげな彼の顔を思い出す。

 同じ価値観、それを文化というのかも知れない。

 経験は知識に優さる。
 経験に裏打ちされない知識は、虚ろな響きを持つ。
 本は他人の経験ののだが・・・

嵐の前

2015年10月13日 風の戯言


 人間は誰でも、暗い地下室に自分だけの部屋を持っている。

 その部屋の闇は誰にも見せてはならない。

 人に理解して貰おうと、扉を開けてはならない。

 一瞬の風が吹いて、扉を開けても、絶望が待っているだけなんだ。

 太宰はそれを「ウリ」にした。
 見せてはならないものを「ウリ」にし、自分を理解して貰おうと足掻いて、最後には命を絶った。

 彼は宇宙を知らなかったのだろう。

 嵐の前の夕陽と、空行く雲が美しい。
 一瞬の風は、美しい。

 そして、それは愛。

 俺の知らない世界があるのかも知らない。

在郷のとっつぁんの独り言

2015年10月12日 風の戯言


 秋が流れてゆく。

 トンボと戯れ、雀とじゃれあい、移りゆく木の葉の色を楽しみながら過ごせる1日は至上の世界だ。

 この一日を過ごさせて貰えれば、生まれてきた価値があった、というものだろう。

 もう、明日からは余録。

 何が待っていようと、惜しむ未来はない。

赤トンボ

2015年10月11日 風の戯言


 夕方、庭に出ると赤トンボの群れが遊んでいた。

 何をしているのだろう ?

 指を出したら、躊躇いもなく俺の指にとまった。

 ナンテ可愛い奴 !

 ポケットからカメラを出し、ようやく撮れた1枚
 赤くなり始めた柿をバックに入れようとして欲張ってチョット失敗 
 まぁ、いいか !

金木犀

2015年10月05日 風の戯言


 先週金曜日には写真家の高本さんが会社に見えられ、画家の岩下さんが久々に遊びに来られた。

 週の全般にはぺぺ・メメールに飾ってある高橋和子さんの写真を差し替える作業があり、大光銀行柏?支店に飾る秋の大きな写真を持って来社し、その後で同じ同級生の日本画家柳重栄と路上でぱったり出会い近況など語り合った。

 昨日は柏崎の生んだ谷川彰さんの個展「復活」を見に行き、番神にある彼のアトリエに連れて行って貰い、夜はジャカルタで病院を営む山田さんと電話で長話をし、その後は又従兄弟の誠さんと月末に遊びに来る打ち合わせを楽しんだ。

 僅かな時間の中で懐かしい面々と語り合うことが出来、充実した1週間だった。嬉しいね。

 写真は庭の金木犀。
 夕陽に照らされ、懐かしい香りを漂わせている。