風の便り
社内の温度計が13度を表示している。
明日はもっと寒くなるらしい。
政治が揺れている。
全く何を考えているのやら・・・政治家と一般庶民の間合いの開きを拡げているようだ。
いくら民主主義を掲げようと、支配者と被支配者の間隔を無くすことは出来ない。近づきすぎると危なくなる・・・戦前のような不自然な「天皇陛下万歳」になってしまうのだろう。
雨上がりの鯖石川の堤防を歩いていると、蜻蛉が見えなくなっていた。雨のせいなのか・・・。
以前は道の端に転がっていた狸や狢の死骸を見なくなった。
雪山にウサギの足跡が見えなくなった。
庭に油蝉がいなくなった。
山を波打っていた蜩の鳴き声を聞かなくなった。
夜、庭に出ても蚊に刺されなくなった。
星空を見ていると、宇宙にこんな星が他にあるのかと思う。
この星は、あまりにも美しすぎるのだが・・・。
目白御殿
「明日の鯖石を創る会」を率い、バスを仕立てて「角さん」に会いに行ったのは・・・南鯖石、南鯖石、自民党も社会党もない、自分たちの故郷をを発展させるのは自分達の力でしかない、だからみんな集まれ!
郷土の大先輩にエネルギーを分けてもらいに行った。
目白の屋敷の座敷に100人以上が詰めかけ、「角さん節」を聞いて、皆んな酔った。
その高揚は後楽園で爆発し、ホテルニューオータニでも続いた。
故郷を良くしよう!
自分達で夢を語り、その夢を実現させよう !
結局、何が出来たのか判らない。
同じ夢を語った仲間を俺は忘れないぞ ! 同じ夢を語った気球の仲間を忘れないぞ !
それが会社の名前になった。
古い思い出を探り、タクシーに目白通りを走らせ、すっかり変わってしまった「目白御殿」の前に暫し佇み、過ぎた時間に思いを巡らせていた。
俺にも、通り過ぎた時間に思いを馳せる、そんなときが来たのか?