朝靄に誘われて夢遊病者のように家を出た。
6時前に起きるなんて、あまり以来記憶にない。
その「記憶」も怪しいものなのだが・・・。
朝の風景がこんなにも詩情を含んだものだとは・・・ !
子供の頃、妖精達が塒に急ぐ賑やかな声を聞いたことがある。
久し振りに、何か忘れていたものを思い出している。
今日は母親の68回目の命日。
日曜日は春祭り。
肉親が亡くなった時は、祭りへの参加を遠慮するのが神道の掟。
古いカメラをぶら下げて、桜の写真を撮りに行ったら神輿が休んでいた。 早速、記念撮影を一枚。
長閑な春の風景。
寒風に柳芽をふく濁川 草風
桜が散り始めた。
昨日、一つの区切りが出来たので、酒を飲んだ。
チョットだけ ! だけど、やはり少し残る、ね。
結果が同じ事だったら、もっと飲んでおくべきだった。
花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ 「勧酒」 井伏鱒二 訳
病院の検査が終わり、昨日はなんかの注射、今日は歯医者。
医者のハシゴも楽じゃない。
花が盛りなのに、寒い日が続き、桜は散らず、お陰で花見が楽しめている。
家の近くのグランドが桜に囲まれていて、近くの人達と夜桜を堪能しようと呼びかけたが、寒くてアウト。
それでも、と思いフラリト寄ってみたけれど、物好きは我一人。チョウチンが寂しそうでありました。
一番上の姉が93歳、一番下が73歳。
健康を誇った7人兄弟、2番目の姉が亡くなった。
父が4月10日、祖父が4月13日、母が4月25日、祖母が3月22日、そして姉が4月11日。
「願わくは花のもとにて春死なむ その如月の望月の頃」西行
柏崎の桜は、将に満開だった。
親達と、今頃、桜の花を見ているのだろう。