祈り

2008.09.15 風の戯言


 今「新潟県経営品質賞」を狙いつつ自社の経営を再構築する為の申請書を書き始めている。7項目約60ページの記述が求められている。難儀だが、やらねばなるまい。
 文書を纏める為に休日の会社に行ったら、同じく休日出勤をしていた総務の近藤さんが電話口で顔色を変えていた。
 聞いたら総務の同僚の3歳の女の子が急病だと言う。休日で専門の先生もいなく、病院を移すことも叶わず、今は天にも祈る気持ちで病状を見守るしか出来ないと言う。
 家に小さな生命体が同居し、まるで見えるような眼差しと時折笑顔のような顔の表面の変化が、心を癒す。
 間近で子供を見ていると、彼女の子供のことが他人事に思えない。早く元通りに治って家族の幸福の象徴であって欲しいと、家の仏壇に祈った。祈ることしか自分には出来なく、それがもどかしい。
 自分には一見不思議な運と摩訶不思議な力がある。まだ力が残っているかもしれない。そのこのために祈り続けてみよう。早く元気になって母親の胸で甘えて欲しい。

 写真は退職した元社員が、毎年子供を連れて会社に遊びに来てくれる。当時の彼女を知る社員も少なくなったが、まだ20人程度だった会社の昔を懐かしく思い出している。
 みんな自分の子供みたいな気がしていて可愛いんだよね、幸福になって欲しいと願っている。

中秋の名月

2008.09.14 風の戯言


 名月をとってくれろと泣く子かな  小林一茶

 なんかねぇ、俳句なんか弄ってないで月を取ってやればいいじゃん!、とどうも素直になれないね。

 名月を飲み残してや酒楽(さかほがい) 草風

 朝の雨が上がって今日は綺麗な秋晴れ。コンビニでおにぎり買ってぶどう村に続く林道で半日遊んでいた。道の脇の木陰に車を止めてラクチン椅子で本を読んだり居眠りしたり・・・それにも飽きるとぶどう村に忍び込んで、熟しすぎた紅瑞宝?を失敬して・・・ススキの向こうの黒姫山が見ていたか?

 鯖石川沿いに広がる田圃は稲刈りの真っ最中。兼業農家の多いこの地区にとって嬉しくも忙しい日だったのだろう。減反、ナンテ馬鹿な農政をやらなければ、日本は今より貧しかったけれどもう少し堅実な社会を維持できたのかも知れない、なんて生意気なことを考えたりする。
 豊かさとは何か、幸福とは何か・・・毎日が死ぬほどに退屈で、こんな日常が一生続くのかと、踏み固めた一本の雪道を飛び出し深い雪の中で狂ったように、いや狂っていたのかも知れない、泣き喚いていた子供の頃を思い出す。家は貧しくはなかったはずなのに・・・俺は何を考えていたのだろう。

 名月の滲んで虫のやかましき  草風

 そろそろ金木犀の匂う季節が近いはず。そして一年。

9.11 7年目

2008.09.13 風の戯言


 衝撃の9.11テロから7年が過ぎた。
 あの日、新潟工科大学の佐藤先生とクラブの若い女の子に囲まれてご機嫌にカラオケに興じていた。
 東京にいる倅から携帯が入り「酒飲んでる場合じゃねぇぞ!」と一喝された。急いで店のテレビを点け、唖然としてあの光景を見ていたことを鮮明に覚えている。
 ソ連との冷戦に勝利し、アメリカ一強が崩れていく瞬間だった。「世界が変るな」電話で話しながらも何がどう変るのか予測もつかない。あれ以来アメリカの凋落、中国の台頭、世界は流動化している。

 11日夕刻から第四銀行50周年記念講演会が開かれ、前ソニーの出井伸之氏の「2020年にほんのビジョン-多極化の時代に-」を聴講する機会に恵まれた。
 現代は15世紀の都市国家に似た状態なのではないか、と言う指摘は興味を刺激された。また幕末のペリー来航時、日本の人口は3000万人ほどであり、当時のアメリカ・メキシコ・カナダの総計より多かった、そうである。
 現代はまた、20世紀から21世紀への過渡期であり20世紀の名残と21世紀の萌芽が混在する「ひずみ」の大きな時代だとする。そして2020年になれば21世紀が始まっているのだろうと。

 経営計画は2020年を意識しなくてはならなくなった。
 その時日本はどうなっているのか? いや、どうしなくてはならないのか? 
 愉しくなってきた。

片貝の花火 浅原神社秋季大礼祭

2008.09.10 風の戯言


 久し振りに片貝の花火 浅原神社秋季大礼祭に行って来た。今年は見事な秋晴れで、しかも適度な北東の風も入り煙が綺麗になくなったところに次々と大型の花火が揚り、ここ30年でも最高の花火ではなかったかと思う。
 特に今年還暦を迎えたとなかいの大花火は見事と言うしかない感動的な花火だった。小さな町の中学の同級会で1000万を越える花火を揚げたこともさることながら、人生60年の時をともに喜ぶことの出来る仲間を持った、その喜びの正に爆発だった。
 広い桟敷席から全員が立ち上がり「おめでとう」の言葉に合わせ惜しみない拍手を送っていた。花火のスタンディングオペレーション。何故かしら涙が頬を伝い、鳥肌の立つような感動の中で幸せな時間が過ぎて行った。
 よかったね。おめでとう。
 貴方達は幸せだと思う。伝統と自分達で創り上げた感動は60台を乗り切って行く大きな勇気と力になると思う。
 もう一度、おめでとう! そしてありがとう! 

鯨波

2008.09.08 風の戯言


 天に星が瞬き雲間に月が流れ
 庭に虫の音が満ちる

 香を焚いて一人月に盃を重ね 
 過ぎ去りし悔いの日々を彷徨う

 何時の日かまた大空を翔けて
                           我が青春の血のリベンジを欲す