宴の後

2006.07.27 風の戯言


 全国の花火を見ている解説者(自身も花火師)によると柏崎の花火は全国7位だそうである。何を評価基準にしているのか判らないけれどスケールや豪華さから言えばそうなのかも知れない。嬉しい話だ。
 風邪が治りきらず、残念ながら昨日の花火は遠目からだった。しかも尺玉100発同時打ちしか見れなかった。花火狂としては火の子の飛んでくるくらいの所が良いんだが・・・。
 20年ほど前の話になる。
 片貝は浅原神社の花火を本部席で見ていた時、刺し子にヘルメット、カンテラ姿の花火師たちが火薬の匂いを撒き散らしながら四尺玉の本田善治さんと何やら話しては目をキラキラさせて打ち上げ場に駆け戻ってゆく。
 「男だ!」 自分の中で何かが弾け、本田さんに頼み込み、翌日俺は「花火師」になっていた。花火筒に火種を投げ込むと目の前で吼える青白い火柱、頭上で炸裂する花火達。全身の毛穴が逆立つような興奮の中で、俺は果てた。

 静かな夜が更けてゆく。
 久し振りにかけたロスラティーノスのフォルクスローレが放心状態の魂を吹き抜けていく、宴の後・・・

 写真は小嶋毅氏

共産主義の理念

2006.07.25 風の戯言


 ソ連邦が崩壊してから共産主義は影が薄くなった。資本主義が絶対的な正しさを誇っているかのように見える。
 はたしてそうなのか?
 人間の平等と尊厳を求める共産主義は全く価値を失ってしまったのだろうか。
 人間が欲望のままに生きる資本主義は格差を次第に大きくしているように思う。人間は何時まで耐えられるのだろうか。需要と供給のバランスをインターネットの任せたら世の中もっと無駄がなくなるのかも知れん。
 環境問題を声高に叫び、森林が消えてゆく自然を嘆き、読むとこもない分厚い新聞が届く度に新聞社に呪詛を投げつけている。本や雑誌の洪水、人間がもう少し欲望を抑えたら世の中もっと良くなるのかも知れん。

 佐藤優の「自壊する帝国」を読みながらいろいろなことを考えていた。

梅雨明け間近

2006.07.25 風の戯言


 夏風邪や強者共の夢のあと

 歳を忘れて暴走していたら、9度近い熱が来た。
 体調が良すぎて「青春だ!」みたいに朝方まで飲み続けたり、ストレートの酒の美味さを覚えてから飲み方が変わってしまった。家では2時3時まで仕事をしてあと窓を開けたまま寝てしまうし、ホテルじゃ酔っ払ってスッポンポン。これで崩れない方がおかしい。
 健康に気をつけよう! もう少し不健康なことを楽しむ時間を延ばすために・・・南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。

 九州に記録的な豪雨をもたらした梅雨前線も少し上に上がってきたようだ。太平洋高気圧がもう少しで元気になる。
 夏間近。

2006.07.18 風の戯言


 雨の音を聞きながら暗闇の庭を眺めている。

 窓辺の椅子に身を沈め、スタンドの明かりで本を読む。

  頭に何も残らない・・・。

 静かな時間が流れてゆく、宇宙への旅立ち。

組織と個人

2006.07.18 風の戯言


 組織には目的がある。
 その目的を実現するためにヒト・モノ・カネが集められ、運用は組織の長に全てが委ねられる。従って長はその目的に合致した結果を出さなくてはならなず、結果に全責任を負う。努力や運不運は評価の外にあり、結果だけが全てになる。
 しかし、当然のことながら組織はヒトが動かす。リーダーとヒトが同じ価値観を共有し、目的達成のためのプロセスに対する理解を共有しないと組織目的に合致しない齟齬が生じる。
 経営品質アセスメントでは経営の重点を「社員重視」に置く。社員が組織の一員であることに満足しなければ「顧客本位」「独自能力」「社会との調和」という経営基本理念を構成する他の要素は意味をなさなくなる。

 「社員重視」とは何なんだろうか?
 リーダーは継続的な業績を実現するために、社員の自主性・創造性が発揮される環境を整え意欲や能力を伸ばすことであり、高い顧客満足を実現するのはやはり満足度の高い社員であるはずであり、企業の高い独自能力の原動力は社員一人ひとりの意欲と能力だ、と教科書には書いてある。

 意欲とは何だ?
 俺は未来に立ち向かう「心」だと思う。心は感情とは違う、行動をコントロールする力だと思う。現在の一瞬先は未来であり、そこに至る時間が遠い未来ほど不確定条件は多く不安は大きくなる。その不安を乗り越えるために勇気を奮い立たせ、未来を自分にひきつけようとする心、それが意欲と言うものなのだろう。
 意欲のない者に未来は来ない。俺はそう思う。

 社員は組織の目的達成のために集められ、給与を貰う。社長と言えども組織から給与を貰っている以上組織に不利益を与える言動はしてはならない。
 国益と言う言葉がある。全体の幸福のために何を優先させなくてはならないか、と言う問題だろう。

 佐藤優の本はいろいろなことを考えさせる。