霊
先日の姉の納骨式の夜、庭の椅子で空を眺めていると不思議な光景が目に入った。
星空に、明らかに星と違う、飛行機でもない瞬間的な丸い光が見えた。
おやっと思って見ていると同じような光が右方向に見え、続いて北方向の頭上に見えた。
不思議な思いの中で「姉が来てくれたな」と思い当たった。
義兄が53歳で亡くなったとき、別れ難く、少し分骨して貰った。
その夜、部屋の本棚で小さな骨壺がカタカタと音を立てていた。
あの時も「兄貴、来てくれたな」と凄く嬉しかったのを覚えている。
もう43年も昔のことになる。
俺は『人はゴミ』と思っているので基本的に死後の世界は信じない。
しかし、人骨の化石にまで DNA が判明する時代になった。
DNA は人類の履歴書・・・
現代流にいえば「ブロックチェーン」といえるのかも知れない。
霊が存在したとしても不思議はないのだろう。
学問のすすめ
一万円札の肖像が何故福沢諭吉なのか、深く考えたことはなかった。
文春6月号に片山杜秀の『福沢諭吉「学問のすすめ」は金儲けのすすめ』をみて「エッ!」と思った。
実を言えば家の本棚の何処かにあるのだろうが、読んだ記憶がない。
早速買って貰い、寝る時間になって本を開いた。
これが間違い。
睡眠薬で頭が痺れ始めたのに、この本の凄さに引き込まれてしまった。
明治5年に第1編を出し、明治9年第17編をもって終わり、明治13年までに約70万冊を超えているという。
岩波書店の奥付を見ると1942年に第1刷、2017年に100刷発行とある。
筑摩書房や他の書店を入れるとどれ程読まれた本なのか、唖然とする。
読み進めると、明治維新後多くの日本人がこの本により生かされてきたのか、呆然とする思いがある。
これ以上書くと眠れなくなる。
本日これまで。
ある小さなスズメの記録
書棚の陰から「ある小さなスズメの記録」が出てきた。
副題には 「人を慰め、愛し、叱った、誇りたかりクラレンスの生涯」とある。
生まれ落ちたときから羽と足に不具合が有り、巣から放りだされた瀕死のスズメと彼を助け、共に暮らした女性との奇跡的な物語。
発行は2010年11月10日、とある。
何時、何でこの本を買ったのか覚えていない。
少し前から、窓先のスズメたちと遊んでいる。
古米を一掴み芝の上に撒いておくと、スズメたちが寄ってくる。
警戒して、直ぐには来ないのだが、部屋にいなくなると来て餌を啄んでいるようだ。
何日かそんなことを繰り返していると、彼等は俺の帰りを待ち始めた。
少しつづ慣れてきたのかな?
窓から米を撒くと、何処からか数羽集まって、こちらを見ながら米を食べている。
野生の鳥だから餌如きでは彼等のプライドを売りはしないだろうが、楽しい。