歯槽膿漏
歯が痛むので診てもらったら、右下の奥歯を支える骨が融いるらしい。月初めに診てもらい、レントゲンを撮って処置を決めて、2回目の今日は何やるんだろうとぼんやり歯医者に行ったらもう抜かれてしまった。心の準備もしてなかったので困った。と言うのは夕方仲間と飲むことになっていたので・・・でも歯を抜いた程度で義理を欠くげには行かない。
鎮痛剤を飲みながらビールを飲んだ。どこか円やかな味がしたけれど・・・まぁそんなもんだ。
知り合いの医者に点滴しながら毒ギノコを食べる変人がいる。少しづつ毒が回り、痺れ始める快感がいいのだそうだ。ろくなもんじゃない。
馬鹿さ加減を楽しむ豪傑が少なくなった。世の中、発想が貧弱になった。精神を解き放つ遊びが大切なんだけどね。
この国のけじめ
銀行の納涼会を終えて先ほど御帰還。
納涼会はリラックスした服装が多いので、普段とは違う人の出会いがあるはず、また例え普段から知っている人でも新発見の新たな出会いがあるでしょう、なんて冒頭の挨拶でシャギ込んでみたが反応はイマイチ。
そう言えば、人は聞きたいことしか聞かない、のだそうだ。理解できる言葉は耳に入るが、その逆は全く駄目になる。同じように、本を読まない人に話しても会話にならない。どんな感動も伝える努力を放棄してしまう。同じリズムを奏でる人には出会うこともない。人は段々寂しくなり、虚しくなり、人はお地蔵さんのなる。
何を言っても始まらない、と放り出すのか。ゲバラのようにそれでも革命を夢見るのか・・・今は気力が失せている。でもまた、明日になれば日は昇るはずだ。
俺達に「昨日」はない
田圃の稲は主人の足音を聞いて育つ、と言う。
朝の出勤前に自分の田を見回る、それが楽しくてねぇと言っていた仲間がいた。稲たちに声をかけながら水や病虫害の世話を焼く、言葉にならなくても表情で判るようになるのだろう。
庭の芝生が思うように育たない。
7月の長雨の後元気が出ていないようなのだ。何が足りないのだろう。今日は一日三度も散水し頑張れ頑張れと声をかけている。心なしか元気が出てきたようだ。
庭の片隅に家を建てた時植えた万年青がある。30年、見向きもしなかった。今年の春何気なし二手を加えたら素晴らしい光沢の葉が蘇った。依頼毎日手入れをするようになったら益々可愛くなった。植物も心が通うんだ、と思った。
草木と話しているなんて痴呆の始まりかもしれない。最近語彙が乏しくなった。元々言語中枢に疑問があるので症状が進んだだけなのだろうがこの先あまり長くないのかも知れない。元々生命への執着心は薄いので、何時途切れたとしても悔いはない。最近は生きることに厭いてきている。中谷が自裁したとき「みんな許せるし、もういいんだ」と言っていたことを思い出す。そんな感じなのだ。
軽挙妄動は慎むが、その程度の自制心はあるが、少し生き方を変えてみる必要がある、のかも知れない。人生に昨日はない。生きていることは汚物を撒き散らしながら這いずり回っていることだから、過去は見るべきではない。心を暗くして未来を失ってはならない。笑顔とは、その心の迷いを封印した未来に向かう決心のように思える。
夏季賞与
会社の18年事業年度前半期が終わった。
半期目標額の107%達成は見事である。自分の会社ではあるが「よく頑張っているね」と褒めたくなる。田舎のこととてずば抜けたヒーローがいるわけでもない。いわば全員野球。額に「真面目印」を刻み込んだ社員がISO2700やISO9000の認証を取るために眼の色を変えて取り組んでいる。膨大な会議に要するエネルギーを考えると、売り上げは当然落ちるものと覚悟をしていた。最終赤字も覚悟の上だったが、面白いもので17年度は目標額を超えた。18年度も多分大丈夫だろう。
今年はもう一つ「経営品質アセスメント」に取り組みたいと考えている。これも大変な事業だ。しかし、若い人たちは自分達の価値観、自分達の方法論、自分達が作り出す価値の面白さに魅せられたようだ。
多分これを乗り越えれば当社は強くなり、俺の理想的な会社に近づくはずだと思う。価値観を共有し、ルールを共有し、異端を素直に評価できるユトリガできて、それを飲み込んで新しい価値を創造できる仕組みが完成してくるはずだ。
若い人たちの成長、あるいは自分を乗り越えてゆく姿に感動している。
きっといい会社になる。そう思う。
宴の後
全国の花火を見ている解説者(自身も花火師)によると柏崎の花火は全国7位だそうである。何を評価基準にしているのか判らないけれどスケールや豪華さから言えばそうなのかも知れない。嬉しい話だ。
風邪が治りきらず、残念ながら昨日の花火は遠目からだった。しかも尺玉100発同時打ちしか見れなかった。花火狂としては火の子の飛んでくるくらいの所が良いんだが・・・。
20年ほど前の話になる。
片貝は浅原神社の花火を本部席で見ていた時、刺し子にヘルメット、カンテラ姿の花火師たちが火薬の匂いを撒き散らしながら四尺玉の本田善治さんと何やら話しては目をキラキラさせて打ち上げ場に駆け戻ってゆく。
「男だ!」 自分の中で何かが弾け、本田さんに頼み込み、翌日俺は「花火師」になっていた。花火筒に火種を投げ込むと目の前で吼える青白い火柱、頭上で炸裂する花火達。全身の毛穴が逆立つような興奮の中で、俺は果てた。
静かな夜が更けてゆく。
久し振りにかけたロスラティーノスのフォルクスローレが放心状態の魂を吹き抜けていく、宴の後・・・
写真は小嶋毅氏