金木犀
先週金曜日には写真家の高本さんが会社に見えられ、画家の岩下さんが久々に遊びに来られた。
週の全般にはぺぺ・メメールに飾ってある高橋和子さんの写真を差し替える作業があり、大光銀行柏?支店に飾る秋の大きな写真を持って来社し、その後で同じ同級生の日本画家柳重栄と路上でぱったり出会い近況など語り合った。
昨日は柏崎の生んだ谷川彰さんの個展「復活」を見に行き、番神にある彼のアトリエに連れて行って貰い、夜はジャカルタで病院を営む山田さんと電話で長話をし、その後は又従兄弟の誠さんと月末に遊びに来る打ち合わせを楽しんだ。
僅かな時間の中で懐かしい面々と語り合うことが出来、充実した1週間だった。嬉しいね。
写真は庭の金木犀。
夕陽に照らされ、懐かしい香りを漂わせている。
夢が欲しい !
美しき浜辺の町は、エネルギーの町でもありました。
石油発祥の地としての歴史と誇りがあり、現在も天然ガスが採掘され、世界一の原子力発電所を抱えている。
その原発が「再稼働」で揺れています。「フクシマ」で安全神話が崩れ去り、今も故郷に戻れない「原発難民」が20万人ほどいると聞いています。一経済人として、また先祖代々この地に住み続けた一住民として心は揺れ続けています。
海を見ながら考える。
再稼働にしてもいずれ「限界の季節」が来ることは間違いない。ならば現在の「再稼働」にしろ「廃炉」論議にしても、原発は最後には解体しなければならない。綺麗に解体し、元の松林の山に戻して貰わなければ、元の「美しき浜辺の町」に戻して貰わなければ、「軍艦島」のような世界産業遺産が残るだけになってしまう。
廃炉には1基1兆円掛かるという話もある。誰が負担するのか、何年かかるのか。「いい産業になるんじゃないの!」と吐き捨てる人もいるけれど、何の夢もない話になってしまうのだ。
海を見ながら考える。
俺たちは夢が欲しいのだ、と。GEのCEOジェフリー・イメルトはロイター通信の取材で「経営には冒していいリスクとそうでないものがあるが、原発は冒してはいけないリスクのような気がする。」と話し、世界中を驚かせたという。
ソフトバンクの孫正義は「世界は再生エネルギーに向かうだろう」とモンゴルの風力や太陽光、ロシアの水力などの自然エネルギーを送電網で日本に持ってくる「アジア・スーパー・グリッド構想」を練っていると聞く。
途方もない話のようだが、夢は夜ひらく、じゃない現在夢は「夢のような世界」を手にしつつあるのだ。
BSNの「夢の扉」も面白い。夢は新しい時代を生み育てる力となる。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)に悩み、「惑星」の研究に打ち込む東大の地球惑星科学阿部豊准教授の「生命の星の条件を探る」を読んでいると、地球はやはり「奇跡の星」としか思えなくなる。
地球表面の7割を海が占め、「水の惑星」とも言われている。海には何か途方もない未来があるのだろう。
海を見ながら考える。
柏崎の海から人を幸せにするエネルギーを貰う研究がスタート出来ないのだろうか ?
世界中が海からエネルギーを貰えるようになれば、資源を巡る争いも少なくなるだろう。
浦島太郎が竜宮城から持ち帰ったものは、実はこの謎かけだったのかも知れない。
蒼ざめた馬を見よ
五木寛之の鮮烈なデビー作「さらばモスクワ愚連隊」を久し振りに読んだ。2階の本棚にも見当たらず、「蒼ざめた馬を見よ」と一緒に取り寄せて貰った。
行間からジャズが流れてくるような鮮烈な感動はもうなかった。
1967年、絶望の中で藻掻いている時、この本には確かな何かがあった。ジャズも、文学も、生きることにのたうち回って苦しんでいる時でないと、心に響いてこない「何か」があるのかも知れない。それにしても、もう50年も昔の話になるのだ・・・。
「蒼ざめた馬を見よ。これに乗るものの名は死。黄泉これに従う。」出典はヨハネ黙示録出そうだが、幸いにして知らない。
まだ読んでない人に一読を勧める。
全く色あせていない。
もう1冊、「生命の星の条件を探る」も取り寄せて貰った。筋萎縮症に苦しむ東大准教授阿部豊さんの本だ。病魔に自由を奪われ、ベッドから星空を見る事を強いられた一人の科学者が、宇宙はどう考えているのか、読んでみたい。
車椅子の天体物理学者スティーヴン・ホーキングと読み比べてみるのも楽しいのかも知れない。
カッサンドラ・ウィルソンのCDを引っ張りだし、聴いている。