米山検校
柏崎インサツから地域限定版の「評伝 銀のつえ−−米山検校を探して」が出版され、早速目を通している。
米山検校は勝海舟の曾祖父にあたり、杉平の実家「山上家」は昭和43年、杉平地域の土地改良工事で随分とお世話になった。また創業時、コンピューターグラフィックス関係でご指導頂いた日大理工学部の戸川隼人先生は、確か勝海舟の血筋の人だと1度だけ奥さんから聞いたことがある。
また、巻末の家系図に検校の長男が郷里に戻り「小林家の祖となる」と記されている。杉の入の小林家だとすると自分とは深い縁がある。確認してみる必要がありそうだ。
写真は柏崎市杉平(旧北条町東長鳥字杉平−杉の入+平沢)地内 米山検校出生地の山上家跡地
「蜩ノ記」
最悪の体調と屋根の復旧工事の慌ただしさで自宅にいるのも難儀で、信濃路を走ってきた。つまり、それだけの体力はあったと言うことなんだろうが・・・。
まだ梅の花が所々であるだけで、桜も咲いていない信濃路は、だけど北アルプスの山波が続く松本は心が安まる。
葉室麟の直木賞受賞作「蜩ノ記」は心に染みた。
人間は何時か死を迎えるのだけれど、切腹の日まで凛として生きる1人の侍の日常に、不甲斐ない自分の心が静められる。
全編に、近くの貧乏百姓の倅源吉の幼い妹「お春」が切ないほどの存在感を以て迫ってくる。70歳が近くなって、妙に涙脆くなってしまったのか、小説の主筋もさることながら、源吉の背に負ぶわれたお春が本を飛び出して、今もそこにいる。