早春の妖精

2012.04.17 風の戯言


 東北大震災から1年以上が過ぎ、日常の生活に落ち着きは戻り掛けているけれど、人の心の奥深くに今までのどちらかと言えば脳天気な人生観から本来の死生観が戻り始めている。人生は有限である、という当然の思考が、会話の中に自然にでてくるようになった。
 未来に対する不安は誰しも持っているが、何時絶たれるかも知れない生の、今日一日を精一杯に生きようとしている。

 写真は友人が送ってきてくれた春の妖精。雪消えの落ち葉の陰に静かに咲いている。いいものだね。

断酒 6日目!

2012.04.16 風の戯言


 屋根の修復が終わり、庭木の雪囲いも取れ、明日には庭の雪も溶けてなくなるはず。いゃーー、嬉しいね。
 嬉しくて、嬉しくて、何度も外に出て夕焼け空を見たり、星空を眺めたり、庭石にロウソクを立てたり、出来れば大音響でレデー・ガガでも流したい心境だね。
 雪の下からモグラ共のテロ作戦が見えてきたので、地下の電気振動攻撃を食らわしている。
 やつらアルカイダのようなのりだ。

 

春祭り

2012.04.15 風の戯言


 気がついたら、といえば嘘になるが、いつの間にか4月も半ばになっていた。
 地域は今日が春祭り。御輿の笛や太鼓が聞こえてき、長閑な春の訪れ、といいたいところだが庭の雪はまだ消えていない。火曜日くらいには消えるのかなぁ・・・。折れた木の枝や落ち葉を集めている。

米山検校

2012.04.14 風の戯言


 柏崎インサツから地域限定版の「評伝 銀のつえ−−米山検校を探して」が出版され、早速目を通している。
 米山検校は勝海舟の曾祖父にあたり、杉平の実家「山上家」は昭和43年、杉平地域の土地改良工事で随分とお世話になった。また創業時、コンピューターグラフィックス関係でご指導頂いた日大理工学部の戸川隼人先生は、確か勝海舟の血筋の人だと1度だけ奥さんから聞いたことがある。
 また、巻末の家系図に検校の長男が郷里に戻り「小林家の祖となる」と記されている。杉の入の小林家だとすると自分とは深い縁がある。確認してみる必要がありそうだ。

 写真は柏崎市杉平(旧北条町東長鳥字杉平−杉の入+平沢)地内 米山検校出生地の山上家跡地

「蜩ノ記」

2012.04.13 風の戯言


 最悪の体調と屋根の復旧工事の慌ただしさで自宅にいるのも難儀で、信濃路を走ってきた。つまり、それだけの体力はあったと言うことなんだろうが・・・。
 まだ梅の花が所々であるだけで、桜も咲いていない信濃路は、だけど北アルプスの山波が続く松本は心が安まる。

 葉室麟の直木賞受賞作「蜩ノ記」は心に染みた。
 人間は何時か死を迎えるのだけれど、切腹の日まで凛として生きる1人の侍の日常に、不甲斐ない自分の心が静められる。
 全編に、近くの貧乏百姓の倅源吉の幼い妹「お春」が切ないほどの存在感を以て迫ってくる。70歳が近くなって、妙に涙脆くなってしまったのか、小説の主筋もさることながら、源吉の背に負ぶわれたお春が本を飛び出して、今もそこにいる。