晴好雨奇
柄にもなく、俳句の世界を覗き見している。
新潟工科大学の宮沢教授が「正雪」俳号を持ち、出版記念会を新春句会という飲み会にしてしまったのが間違いの元だったかも知れない。
宗家松村商工会議所会頭がリベンジの「初夏句会」をやろうと言い出し、「紙風船」かなと迷いながら兼題は「心太(ところてん)」に決定。
宮澤宗匠から選んで貰った席題は「木苺」。
句会出席者は松村会頭、広川学長、酒井社長、宮沢教授、新野良子さん、吉野孝也さん、石塚。
みんな、講義と駄洒落、お説教は任せておいてもらってもいいけど、俳句は???の人たちの集まり。
宗匠の挨拶で宴会に入り、一応腹のものを出し尽さないとホンマモンノ句会が始まらない、正式の俳句の会には料理・酒はないはずだけど。柏崎流派は飲み出して呂律が回らなくなってからが勝負。さてと句会の始まりを告げた時には料理が一通り片付いた頃。美味すぎる、凄い句会。
青空の果てなき宇宙に心太 草風
木苺と笹の団子の閻魔市 草風
相当クレージーな選者でないとえらんでもらえぬ。日本文化の中で「俳句」ほど狂気に満ちたものはない。
晴好雨奇 6月は一日一日の草木に風情がある。いい季節だ。
スラムドック$ミリオネア
セガレに薦めらて「スラムドック$ミリオネア」を会社サボって観て来た。ユナイテッド・シネマ新潟は平日の朝のせいか観客はほんの数人・・・劇場の貸切・・・?
「みのもんた」の「クイズ$ミリオネア」そっくりの番組の正解をジャマールの悲惨な人生と重ね合わせながら解き明かす純愛ドラマ、と言い切ってしまうと背景のインドの階級社会の不条理に対する怒りも無力感も消えてしまう。
あえて言えば、成熟しすぎて腐敗の始まった日本社会からは想像を絶した、正視できないような「貧困」が匂い立つ様に迫ってくる。
「ゴミの山」はフィリッピンでもインドネシアでも感じていた。今まで、そこを写真にとっても、映画の主要な舞台として取り上げた映画はなかったのではないか、と思う。
ストーリーそのものは単純だが、現代社会の病根(そんな簡単な言葉では表せないのだが)の深さ、物社会が悪臭を撒き散らしながら人間を育てている光景など、この星は人間を一日も早く絶滅させ数千万年の眠りが必要なのだと思えてきた。