おぼろ月

2015.11.25 風の戯言


 23日、会社で書類整理をしていたら「社長、今日は勤労感謝の日です。仕事をしてはいけません」と出社していた社員に窘められた。「お前はどうするのだ?」と言ったら「俺はいいんです!」。
 理屈の通らぬ話だが、丁度良い口実になった。

 家に帰ると畑仕舞の済んだ庭に朧月がかかっていた。

 ここは当然、酒を飲むべきだ。

 平安装束にでも身を包み、和歌でも詠みながら朱の盃で酒を飲んでいたら絵になるのかも知れなかったが、どうも寒くなって風邪でもひいたらしい。

 そう言えば暦の上では23日は「小雪」だった。

 今日は親代わりだった秋雄兄の命日。
 時が去って行く。
 

エコ・エネルギー情報交換会

2015.11.15 風の戯言


 エコ・エネルギーの重要性が叫ばれています。

 この美しき浜辺の町は、石油発祥の地であり、現在も天然ガスが採掘され、世界一の原子力発電所を抱えています。
 柏崎は「エネルギーの町」として、次世代の「エコ・エネルギー」は興味ある、かつ責任ある課題であります。
 柏崎から次世代エネルギーの研究がスタート出来ないのだろうか、と考えています。
 柏崎の自然からエネルギーを貰える方法はないのだろうか?
 「日本海」からエネルギーを汲み出す方法はないのだろうか ?

次世代のエネルギーが自然の中から貰えるようになれば、資源を巡る争いも少なくなる、面白い課題です。

 なんて目論見で「エネルギー研究発表・情報交換会」を仕掛けている。
 14日土曜日は展示品や資料をもらいに片貝に行ってきた。
 「おぢや風船一揆」のリーダー格で、佐賀の国際大会から戻ったばかりだという。

 話し始めると昔話から未来の夢にまで拡がり、時間が幾ら合っても足りなくなる楽しい中間で、奥方の蕎麦までご馳走になってきた。
 奥さんも気球のパイロットで思い出話に加わり、俺が忘れていた話までしてくれた。
 そう言えば、何回目の大会だったか、女性パイロットが一人で飛び立ち、山の中の木に引っかかり行方不明に近くなったことがあった。
 警察への捜査願いではラチがあかず、3人の県会議員を動かし、禁じられていた県警のヘリコプターの夜間飛行を強行して貰い、一人の命が救われたことがあった。

 忘れていた。
 凄い形相だったらしい。アッハハハ だね。

 俺は何か多くのことを忘れていたようだ。
 そう言えば、いろんな事をやり過ぎて、忘れてしまっていた事もあるのだろうけれど、みんなは記憶の何処かに大切に仕舞っておいてくれたのだね。

 自分が何ものかであるのかも忘れていたようだ。
 

鳥海山

2015.11.12 風の戯言


 今日は秋田県横手まで空出張。
 朝6時半から9時半帰宅まで、・・・だから15時間半。
 「若い者のには負けていられない」なんて意地になってみても73歳の準若手には疲れる。
 でも中身はなかったけれど、やはり野に行けレンゲ草、じゃなく「営業マン」だね、経営トップも常に現場の最先端で戦闘を積み上げないと単なる「バカトシヨリ」になってしまう。
 痛切な反省が重苦しく、また爽快でもある。

 由利本荘で2時間半の電車待ち時間が出来たので、海岸を覧にタクシーを飛ばした。寒中、裸で神輿を担ぎ石段を駆け上がる丘を覧たり、遠く鳥海山を眺めたり、およそ退屈を知らない人間の幸せを楽しんできた。

 さて、明日からまた戦闘態勢を整えて突撃だぁ・・・。

番神の梅

2015.11.11 風の戯言


 藤原緋沙子の新作「番神の梅」を岬館の女将から戴き、夢中になって読んでいる。
 「柏崎日記」渡辺勝之進を題材にした小説で、柏崎人としては物語より当時の時代背景、柏崎の歴史や町並みが気に掛かる。

 大塩平八郎の乱に続く柏?の生田万の乱など、その歴史に流されて行く人の命や運命など、物語は貧乏故の哀しさと暖かさを蓄えています。

 もう一つ。これは嬉しい話。
 日本で最初にバイブルを翻訳した高橋五郎について、ブルボンの吉田真理さんが調べていていた。
 大勢の宴会の席だったので、詳しい話は「また後で」と言うことになった。
 こんな人が柏崎の人だったということは「面白い」

 キリスト教にはご縁がないとも言えず、実は母が大正時代に横浜のフィリス女学校に学んだという話。石曽根の曹洞宗の大寺、安住寺の檀家総代の一人娘が、何を血迷ってクリスチャンの学校に行ったのか、何故親達がそうしたのか ?  話を聞こうと気付いた時には祖父母も父母もみんな旅立ってしまっていた。
 母は子供を負ぶい、障子戸にハタキを掛けながら賛美歌を口ずさんでいたという。

 ハタキのリズムに合う賛美歌って何だろう、近頃思う。

山の紅葉に絶叫 !

2015.11.09 風の戯言


 自宅から尼か額峠を登り、紅葉のトンネルを抜けると「ぶどう村」がある。ぶどう畑は綺麗に草刈りが出来ていて、ここから眺める刈羽三山は絶景である。
 そして、その山の向こうに魚沼の山が見える。湿気を含んだ青空は、折角の絶景を霞ませている。それもまた良し。

 魚沼の遠景を楽しみ、消えてしまった集落、小田山新田を抜けて明神に降りる道を探したが生憎工事中。.仕方なしに左にハンドルを切り林道を行くと、これがまた何という綺麗さ、本当にこんな心の安まる道を走ったことがないような、将に一幅の絵。

 車を止めて、林の中に見とれても、行き交う車はなし。

 南下に降りて、佐水を曲がり、細越トンネルを通って水上に出、苛島、清水谷、ここも我が古戦場、折居に辿り着きようやく353号線に出た。
 女の子でも乗せていたら絶叫の連続だったのだろう、将に「錦」。
 353は石黒、中の坪でようやく高柳方面、じょんのびへ。

 眼も心も玉しませて貰った。
 
 今年の山はひと味違うようだ。