雪の降る村から

2008年01月25日 風の戯言

 久し振りに香を焚きながら「カヴァレリア・ルスティカーナ」を聴いている。吹き荒れた風も止んで雪も小降りになってきた。不思議な静けさが蘇ってガラスの壷に取り残されたような、俺だけの静寂。
 パヴァロッティのテノールを判ったような振りをして聴きほれているのもいいもんだ。夜が更けてゆく。頭が痺れてくる。体中から力が抜け意識朦朧とした中で「間奏曲」を聴く。いい曲だ、と思う。
 激しい季節風の後のような、一時の安らぎ。

地讃地奨

2008年01月24日 風の戯言

 昨日、新潟産業大学の「地域振興論」の時間を頂いた民間講師と教授陣の懇談会があり、広川学長が「地讃地奨」と言う言葉を使っていました。柏崎に足りないものはこれだなと思い、嬉しくなった。
 自虐的地域論を早く脱して、自分達の住む柏崎への「讃歌」が何よりも大切な時期なんだよね。

 今日は第2回目の震災復興計画策定会議。
 産業と雇用の問題に対する認識がなさ過ぎるように感じ、ついつい会議の途中大きな声を出してしまった。行政はお金を産む所ではなく、使うだけの所だとは言え行政に託された地域経営の課題は雇用の確保が最優先だと思うのだが・・・。
 更なる未来へ、翔たけ柏崎!

マレーシア熱気球大会

2008年01月23日 風の戯言

 朝の会議中、カレンダーのカメラマン高本さんからマレーシアでの国際熱気球大会へのお誘いがあった。会議を中断し日程を確認し、その場で参加を申し込んだ。
 マレーシアはシンガポールJETRO駐在だった三上先生ご家族とマラッカまで旅行した時以来だ。相変わらず詳しいことは後回しにして、既に夢はマレーシアに飛ばしている。
 高本さんには以前モンゴルに誘ってもらった。草原のフライトは今も忘れることが出来ない。このブログの背景の写真がその時のものなのだが、何処までも続く草原に着陸するとミントの風が吹いていた。

 

死について

2008年01月22日 風の戯言

「吾死なば焼くな埋めるな野に晒せ痩せたる犬の腹肥やせ」
 小野小町の辞世の句と伝えられるこのヤケクソみたいな和歌?が気になっている。人間なんて動物の一種でしかないのだから肉体が滅びたら魂も何もないわけだけれど、そうは問屋が卸さないのが人間らしい。
 原始仏教ではその辺は割り切っているのだろうけれど、やっぱりそれじゃ落着かない。あの世だのこの世だの、はたまた天国地獄に極楽だのと無知な民衆を脅して、魂の救済と称して金と命を取り上げていた宗教的熱狂者は凄いと思う。
 イスラムなんてジハードで自爆でもしたら70人の処女が待つあの世にいける、なんてもう歌舞伎町でも「かなわねぇ!」って世界だね。しかし、ほんとかな?
 キリスト教は「復活」を信じさせているから火葬も出ないんだろうけれど、それじゃ埋葬する場所もなくなってくるから7年も経ったら掘り起こして別な人を埋めてもいい、ナンテどこかで読んだな。みんな最後の審判の日に復活するんだからそれでさえ込み合っている地球上はもう生身もキョンシーもごちゃごちゃになる・・・大変だ。
 みんなも「オレオレ詐欺」みたいなのに騙されている。デモなんか信じていないと落着かないという人間は、やっぱり可愛いのかも知らない。
 あれ? もしかしてリサ・ランドールの理論物理学でいう5次元の世界なんて新手の詐欺なんかも知らないね。テレビで蔓延る怪しげな占い師を、まさか本気で見ている奴もいないだろうけれど、結構この世界は受けるのかも?

森浩一の古代学

2008年01月21日 風の戯言

 85歳の姉に薦められて森浩一の本とDVDを山ほど買った。
 いろいろ雑用があって集中できないので、拾い読みを楽しんでいる。躁のバカ騒ぎの後の欝状態なので、多少自閉症気味の身には浮世離れした本に救われる。
 「海から知る考古学入門」はこの日本列島に生きた古代人が、多分縄文人がヒスイを求め、ゴホウラやイモガイの腕輪を求めて糸魚川や沖縄までの海を行き来し、北海道の遺跡にまでその痕跡が認められるという。
 需要と供給の情報と運搬手段を手にした人たちが、懸命に生きようと努力した跡を、ただロマンと冒険という言葉に置き換えただけではこちらの想像力が情けなくなるほどの血のたぎりを感じる。
 幾つの命を落しても、自分の血の騒ぎを鎮めてくれるものは未知の世界への挑戦と、夢が達成された時の全身から血の吹き出しそうな感動しかないのだろう。一度それを味わったものに、平穏な生活は苦痛以外の何ものでもないのかも知れない。
 それにしても、食うことがやっとだったと思っていた古代人がヒスイや貝の装飾品を遥かな海原を越えて手に入れていた情景が眼に見えるようだ。間違いなく、魅惑的な女性の関心を買う為に、男達は命懸けだったということか? 口惜しいけれど、判り過ぎる・・・古代人ものぼせていたんだな。