
雀が一羽、窓の外で喚いている。
「エサくれ!」
久し振りじゃないか? どうした? 雪で大変だっただろ。
「腹減ってんだ、早く米よこせ!」
お前ら、百姓一揆の残党か?
米櫃の底を叩いて、少しばかりの米を雪の上に撒いてやる。
「もっとよこせ!」
てめえ、何様のつもりだ?
「大雪で、何も食ってねえんだ」
わかった、ちょっと待っていろ、車庫から古米持ってくるから。
戻ってきたら、木の枝や農協の屋根に何十羽も待っている。
「こいつらもみんな腹空かせてるんだ!奴らにもいっぱいやってくれ!」
『遊んでいろよな、雀でさえも生きる為には苦労する』
昔の落語家がそんなこと言ってたなあ・・・