5月の風
早朝、久し振りに「ぶどう村」に上った。
此処から望む四季折々の風景は絶品で、「鯖石ぶどう園」を作った先人たちはこの風景に魅了されたのだろうと思う。
まだ雪を冠った米山は詩的だった。残念ながら写真が追いついてゆかない。
黒姫と八石、刈羽三山を眺めていると、何かが解けて行くのが解る。5月の連休初日、早朝の風景は見飽きることがない。
お昼、庭木の折れた枝を取り除き、リクライニング・チェアーで5月の風を楽しむ。
空にゆったりと雲が流れ、若葉が芽を吹き始め、5月の風が遊んでいる。
俺の時間が静かに流れて行く。
この静けさは何だろう!
週刊ポスト5.7/5.14号の茂木健一郎「脳のトリセツ」に興味ある記事があった。
世界が実はフラットだと気付いてしまうこと。それは『格差』という幻想をなくし、この情報化社会では「生きる力」という視点からは、それぞれの人が、それぞれの現場で、直面する「偶有性」から学べばよいことであり、学歴や社会的立場の「格差」幻想でしかない、という。
「偶有性」とは、人生が容易に予想できないものであるということ。定番とサプライズの入り混じったカクテルこそが、脳の報酬系を真に活性化させるさせること、なのだという。
「GW」を家でのんびり過すのか、渋滞を乗り越えた先の遊びに価値を置くのか、海外旅行に最高の価値を設定するのか、それは「偶有性」の視点から見れば等価である、という。
新しい時代の、新しい視点のように思える。
ちょっと、大連まで
若い頃、建設業の改革を叫んで「青年部」を創った役員も2人が他界し、「五葉会」は3人になってしまった。血気にはやって激論を戦わした若い時の仲間は、何を話さなくても近くにいるだけで心が和む。
2人は建設業界の最高幹部になったが、忙しい中を、時折一緒に度に出ることにしている。
今年は大連を選んだ。理由は別に無い。
職業的には大連ソフトパークを考えたが、旅順を見たくなった。以前何度か大連を訪れているが、許可が得られず諦めていた。
二〇三高地に上り、旅順港を遠望できた。
ロシア太平洋艦隊を封じ込めるために港口近くに沈めた民間船は22隻に及ぶ。国の興亡を賭けた日露戦争の悲壮と心意気が伝わってくる。
沈んだ船の中に「米山丸」、「弥彦丸」、「小樽丸」等の船名見える。
柏崎に縁の深い小樽板谷商船隊だ。
「坂之上の雲」
民族が一つの夢を追いかけた、そんな時代を想う。