12月の雲

2011.12.04 風の戯言


 雪国の12月にしては優しすぎる雲が流れて行く。

 そして今日は北風が吹き、冷たい雨の一日。

 午後になって、建設業時代自分の爪痕の記憶を辿り、北条方面に車を走らせた。昔の北条町の南条から杉平まで、どの集落でも思い出が蘇ってくる。
 一緒に働いた頃の元気な顔が浮かんできて、時間という不思議な世界を漂っていた。「時」とは何なんだろう?

 杉平は昭和43年10月23日だったか、南鯖石農協事務所の建築を完了させて、そのまま「圃場整備」の現場に飛び込んだ。親戚の「小林医院」の先生や奥さん、地元の土地改良委員の人たちと、熱い長い時間を思い出す。
 小林医院の後は集落の墓地公園に姿を変えているが、庭や裏の山の木々の姿は当時のままで、しばらく動けなかった。
 
 もう45年近い歳月が流れている。

 流れゆく雲を見ていると、時の不思議な世界が呼びかけてくる。
 

酒に思う

2011.11.27 風の戯言


 自分が大切にしているものの一番に酒がある。
 その、命より大切な酒が飲めなくなっている。

 酒よりも大切なものが生まれているのかもしれない。

 12月が近くなって、昨日今日と秋晴れが続いている。

 夕陽に赤く染まった八石の山が撮れた。
 場所は中鯖石と南鯖石の境の善根堰の近くから。

妙高連山雪景色

2011.11.23 風の戯言


 今日は勤労感謝の日、なんの休日かすっかり忘れていた。呑気なものだ。そして暦の上では「小雪」とある。冬が近づいたのだなぁとつくづくと思う。

 朝、妙高が見たくなって高速を走り始めたが、途中気が変わって8号線を戻ってきた。

 写真は「聖ケ鼻」からの妙高連山。
 海と信越線の先に白い山の連なりが見える。

明神の秋 (2)

2011.11.20 風の戯言


 イチョウの葉を敷き詰めたこの風景は絶品である。
 この家の主人も過ぎゆく秋の風情を楽しんでいるのか、休日には車が止まっているのが見える。

 四季の中で、雪が近づくこの時期は案外好きだ。
 こんな風景を眺めていると、人の世の哀しさが見えるようで、自分が少し深くなったような錯覚に陥る。

 こんな風景が本当の日本の姿なのか、それを見て嬉しくなる。

陽だまり

2011.11.17 風の戯言


 経済状況の厳しさが増してくる中で、社員が目の色を変えて動き出している。

 安心したわけではないが、そんな手ごたえに気が緩んだのか、今日は殆ど一日ベッドの中。

 古いけれど、山口百恵の曲を思い出している。

 落ち葉の上に柔らかな秋の陽ざし。
 収穫の時を終え、ゆっくりと休養の季節に入った畑。
 採り残した柿が青い秋空に輝いている。

 殆ど恍惚とした気分の中でハッと自分の姿に気が付いた。

 これって、痴呆症の風景ではないか。