フルベッキ集合写真

2007.10.23 風の戯言


 フルベッキという一人の宣教師を取り巻く、幕末を駆け抜けた志士達の群像、いわゆる「フルベッキの集合写真」にまつわる話はネタとしては面白いが多くはトンデモ本なのだろう。
 しかし、加治将一の「幕末維新の暗号」は歴史の裏面好きとしてはタマラない小説だった。
 幕末の長崎、アメリカ人宣教師フルベッキを囲んで総勢46名の群像、龍馬、西郷、高杉、岩倉、大久保、中岡慎太郎、伊藤博文・・・幕末の英雄達が一枚の写真に納まっている。
 馬鹿な、と思う読者の興味を次から次へと資料を並べながら明治維新後の不可思議な天皇家の謎解きをしていく。
 特に北朝系の孝明天皇の後継たる明治天皇が何故南朝の楠木正成を新生日本の精神支柱に持ってきたのか。本当の明治天皇、孝明天皇の子供睦仁親王は大室寅之祐に摩り替えられたのだというヨタ話は以前から聞いていた。その大室が南朝の血筋を引き、フルベッキ写真の志士達はその事を企んだ一党であり、佐賀の乱も西南戦争もみんなその「知った者たちの口封じ」であり、維新後の日本が南朝の価値観の中で動かされてきた、という「解説」は面白すぎる。
 政治の裏側は何時も謎に満ち、生身の人間の欲望を抉り出し、真実を遥か彼方に置いて来ていて野次馬にとってもう嬉しくてしょうのない話の種になる。

 今日は十三夜、いまは雲に隠れているが帰宅したときは綺麗な月が見えた。

 写真は朝の八石山。なんて美しいふるさとなのだろう!

 八石の向こうは小国。南北朝の頃小国氏は南朝により、落ち延びてきた以仁王を匿ったという伝説を今も大切にしている。
 小さな鯖石郷にも幾つかの城跡があり夫々に新田方、足利方に分かれて闘った昔話を聞かされてきた。ここに来て途絶えてしまったけど・・・。直江兼継の「天地人」でそんな昔話が又語り継がれるといいな。

風船一揆

2007.10.21 風の戯言


 「がんばれ! 柏崎」の垂れ幕を下げ柏崎の空を飛ぼうという計画は、天候の為残念ながら・・・であった。全国各地から50名近い仲間の参加があり、多分飛べたら壮観だった楼にと思うと、やはり残念だ。
 でもおおよそ退屈と無縁の仲間なので、米山観光に出かけたりSLを見たり、東電の視察をしたり、後は広田鉱泉の中山館ゆっくりとゆに浸かり、その後の宴会も楽しく、いい空の仲間を持ったことを何よりも嬉しく思う。
 もう35年も昔になるのか、日本で2番目の気球作りに燃え、完成した気球を柏崎青果、魚市場の駐車場で係留実験を繰り返していたことをつい先日のように思い出す。気球を揚げるたびに女房の母が赤飯を炊いてくれ、それが今も日本熱気球連盟の中に柏崎熱気球苦楽部の話として語り伝えられている。
 会社のカレンダーのカメラマン高本氏が何よりもその話を大切にしてくれていて、今回も妻の手作りのお赤飯をお重を離さずに美味しそうに食べていたのが嬉しかった。ちなみに、彼の奥さんは京都美濃吉のお嬢さんで東京美濃吉の女将である。女性パイロットとして世界的に有名に人でもあるのだが・・・。
 ジャカルタ「タケノコ診療所」の山田院長が日本に帰ってきていて、倅が一緒に遊んでいたらしい。ホントは俺の大事な友達なんだが・・・可笑しいね。

東電 中越沖地震の影響について説明会

2007.10.19 風の戯言

 どうやら明日の風船一揆は飛べるかも知れない。雨は上がったし、風はどうなるか・・・。

 17日16時30分、柏崎エネルギーホールで東電の中越沖地震の影響について説明会が行われ傍聴してきた。結論から言えば面白くない、の一言に尽きた。初めてこんな会に行ってみたが10年一日の噛み合わないやり取りが繰り返されるだけ。そんな感じ。柏崎が地域として存亡の危機にあるときに建設的な、未来に向かっての議論は出なかった。
 一言も発しなかったのは卑怯かもしれないが、攻める何かが見えた気もする。俺の出番が近づいたのかな?

風船一揆 柏崎復興の陣

2007.10.17 風の戯言


 双子座は風性の人、らしい。
 地震の後、空の色が秋らしくなった時、柏崎の空を飛びたくなった。被災者の人たちに空の上から元気を呼びかけたい、そんな企画に全国から大勢の気球の仲間が駆けつけてくれることになった。
 20日と21日、蓮池さんが拉致された浜から10機の気球を飛び立たせる。お天気が良くなってくれればいいのだが・・・。

 木犀が星明りの庭に強い香りを漂わせている。何かの間違いで春に枝を摘め、秋に又枝を詰めさせられて散々な目にあった木犀が、怒りを抑えて義理の花をつけているようで何とも痛々しい、のだ。
 木は本来、小賢しく手を入れられた木よりも自由に伸び伸びとした姿が一番美しい。雪に枝を折られ、風に幹を傷められ、文字通り風雪に耐え曲がりながらも天に向かう木を、俺は好きだ。
 ド素人が、雪囲いが楽だからとメタメタな枝の剪定をしてしまい、我が家の庭は見るも無残。以来、木に語りかけることもなくなり、庭に出ることも、自分の部屋から外を見る気力も失せた。可愛そうな木たち。
 自然のままの木をみているのが一番性分にあっているのかも知らん。自然の中で、風に吹かれていると気持ちが安らぐ。

仙台講演

2007.10.13 風の戯言


 11日、社団法人日本インターネットプロバイダー協会「地域ISPの集いin仙台」に招かれ「中越地震、中越沖地震」の体験談を話してきた。
 原発立地地域のプロバイダーとして情報通信が特別重要であることは十分認識しているし、災害時の公的情報と同時に私的情報も重要性を増している。ある意味で地域を守る為にマスコミ暴力にどう対処してゆくかという問題でもあり、風評被害から身を守るものは地域の私的な「熱い情報発信」が最も大切だと思うし、それ以外にありえない。
 まぁ、プロバイダーとしてはハード部分の守りと、そんな意味でソフト部分の守りと、二十の防衛体制を組む必要があるのです。職業的なプライドとして、なのですが。
 一時間いろいろ話して、最期のとどめに「ITは根性」と締めくくってきた。懇親会の席上は「あの言葉が一番感動した」と酒をついでくれる人が多かった。なんなんだかね。