エイプリル・フール

2012.04.01 風の戯言


 4月に入ったのに、中鯖石地区加納地域内はまだ1メートルに近い雪に埋もれている。それでも、軒下の雪は少なくなったので窓の雪囲いの板を外した。窓が少し明るくなって、気分が和らぐ。

 そう言えば今日は「エイプリル・フール」、この日だけは「嘘」をついてはならない日。残りの364日は「嘘・デタラメ」が許される・・・政府も企業も個人もAIJも・・・。

バルーンスポーツクラブ東京20周年

2012.03.25 風の戯言


 昨日はBST「バルーンスポーツクラブ東京」20周年記念パーティにお招き頂、新宿の夜を楽しんできた。
 会場は住友ビル48階の「美濃吉」で、東京の街を見下ろしながらの酒は格別に美味しいものだった。30年振りに出会う懐かしい顔も荒れ、懐かしい昔話花が咲いた楽しい時間だった。
 40年以上熱気球に関わりながら、飛行ライセンスもないのでは「あの世」にも行けそうになく、日本最高齢の免許取得を目指すことになった。理事長が「即没収」と叫び、笑いに包まれた、本当に心の安まる良い会だった。

 夜は倅が取ってくれた5つ星のパークハイアットの45階から、眼下に広がる光の海を眺めながら、ここでは原発なんて遠いクニの話なんだな、と複雑な思いに浸された。
 代々木のスッポン料理を楽しんだり、ホテルの最上階でジャズを楽しんだり、みんな倅に奢らせながら、最高の夜を楽しんできた。

降霊会の夜  浅田次郎

2012.03.21 風の戯言


 本の中にドップリ浸かられるようになった。
 少しづつ、健康を取り戻しているのだろう。

 「降霊会の夜」死ぬほど好きな浅田次郎の最新刊
 流れ去った、忘却の彼方に、大切なものを置き去りにしてきたのかも知れない。格好良く言えば、それが人生なんだろうけれど・・・振り返る時間も、勇気もなかった・・・何も残っていないのかも知れない。
 ただあの時代は「頑張れば夢は叶う」「社会の繁栄が個人の幸福を約束する」そんな神話が純粋に信じられていた時代でもあったのだ。

 疲れ切った身体、しなやかさを失った心、連係プレーが出来なくなった脳・・・しばらくの休憩が必要なようだ。

神々のおわします・・・

2012.03.14 風の戯言


 今朝は、春の雪が舞い降りた。

 神々しいほどの風景が広がっている。

 「見残しの塔−周防国五重塔縁起」を感動に浸りながら読み終えた。著者 久木綾子。89歳の著作という。
 文庫本解説で櫻井よしこが書いているように「読むほどに圧倒的な力で迫ってくる」その年でよくぞここまで・・・取材に14年、執筆に4年、推敲に1年・・・。
 失われてしまった「原日本人」の古里に迷い込んだような、そして日常が神々とあった人間の苦悩とそれを受け入れて生きる人達への温かい眼差し・・・古いCDの世界と重なり合って、何とも言えない時間が流れている。

明日は3.11 1周年

2012.03.10 風の戯言


 祇園精舎の鐘の音
 諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色
 聖者必衰の断りを表す
 おごれる人も久しからず
 ただ春の世の夢のごとし
 たけき者も遂には滅びぬ
 偏に風の前の塵に同じ

 昨年の3月11日は長岡で会議中だった。
 大きな波のような揺れが続いていた。
 会議そっちのけで情報収集したが、このときはまだ全容が見えず「話のタネ」、会議は続いた。
 ただ、テレビや新聞、雑誌で全貌が見え始めると、イライラが昂じ精神的に不安定になってきた。自分の中に築き上げたものが、大きな音とともに崩れていった。

 夏草の中を南相馬まで出かけたのは、鎮魂もあるが自分を見つめ直す時間が必要だった。判っていたようで、人生の意味が見えなかったのだ。
 瓦礫が山になり、至る所に船が打ち上げられたままになっていた。
 荒れ果てた海岸から、鎮魂の詞を海に捧げて貰い、少し何かが鎮まってきた。人は生きている限り、一生懸命生きなくてはならない。生きていることに何の意味も見いだせなくとも・・・それが生きると言うことなんだろう、と。

 最近は不思議なことが多い。
 ふとした風景に出会うと、自分の気持ちが妙に優しく、懐かしさの籠もった気分にさせられる。以前出会った風景、時間の彼方においてきた感情までが浮かび上がってくる。
 本を読んでいて嗚咽や涙が込み上げてくる・・・そんなことは殆ど無かったのに・・・高齢になって、感情の蓋が破れたか?

 人は生き、そして死ぬ。
 何をせよ、と命じられていたら、まだ生き方もある。
 自分で考え、自分で行い、自分を捨てなければならない。
 自らの使命を、自分だけで良いから、納得しなければならない。矛盾し、バランスのとれない不安定こそが、人の定めなのだろう。

 そして、やがて人は神に近づくのかも知れない・・・。